大学生や社会人になった卒業生にそろばんを習っていてよかったことをきくと、ベスト３に入るのが「受験など、ここぞという時に役立った」ということ。

そろばんの検定試験や、競技大会の出場経験が、絶対に失敗したくない大舞台、高校受験や大学受験で活かされたと言います。

具体的にどんな要素が役立つのかというと、まずは「目標設定力」です。

本番に向けて、努力を続けていくために、計画を立てて実行する力が必要ですよね。全力疾走で頑張ればよいかというと、そうではなくて、本番直前には少しペースを落としてリラックスするなどの調整も必要になります。そろばんで経験した目標達成までのプロセスと、受験はとてもよく似ています。

次に「緊張感」です。センター試験など普段とは違う環境で、大勢の人が一斉にテストを受けるというだけでドキドキするものです。その雰囲気がそろばんの大会に似ているので、それほど緊張せずに出来たと言います。しかも、そろばんでは1秒が勝敗を分ける緊張感があるけれど、受験は数分のロスなら取り戻せるので、余裕を感じる程だという生徒もいました。

緊張する場面も同じことを繰り返すと、それほど緊張しなくなるものです。また、緊張した時、自分はどういう状態になるのかを知っている事が大切です。緊張すると喉が渇くからお茶を多めに用意しておこうとか、些細なことも役立ちます。「本番」という場面を経験しておけば、頭が真っ白になってパニックのまま終わってしまったということは避けられるでしょう。

そして、失敗した時の切り替え力も必要です。

人生必ずしも、望む結果だけではありません。失敗したと思っても、それがきっかけとなって良い方向に進むこともあることを私たち大人は人生経験から知っています。

子どものうちに、失敗の経験をしておけば、またチャレンジすれば新しい道が開かれることを知り、失敗もチャンスに変えられますね。